
食物繊維が便秘や健康に良いという話は聞いたことがあると思いますし、ダイエット(減量)にも良いという話も聞いたことがあるかもしれません。
じゃあ、実際に食物繊維はダイエット(減量)や健康にどのような効果をもたらすのか?
そこで、この記事ではダイエット(減量)と健康を促進する食物繊維の4つの特性について言及していこうと思います。(本当はもっとありますが、今回は4つに絞ってお話します)
この記事を読めば、
「改めて、食物繊維がダイエット(減量)や健康を促進するものだと理解できた。これからは、なるべく毎日食物繊維を摂取しよう」
こんな気付きや学びが得られると思います。
もくじ
食物繊維の4つの特性
食物繊維がダイエット(減量)と健康を促進する特性は、
- 血糖値をなるべく上げずに脂肪合成も抑制する
- 満腹感を感じさせやすい
- 代謝機能を向上させる
- 腸の善玉菌を増やして太りにくい体質にする
この4つです。
血糖値をなるべく上げずに脂肪合成も抑制する
食物繊維には、他の食事と一緒に摂ることで血糖値をなるべく上げずに脂肪合成も働きにくくする作用があります。
その仕組みについて話していきましょう。
まず、食べ物と食べた時に、一緒に食物繊維も摂取すると、腸壁の間にゼラチン質のバリアができて、小腸がブドウ糖や果糖、脂肪を吸収するスピードが緩やかになります。
そうなると、血糖値の上昇が緩やかになって、インスリンの分泌量も自然と減ることに・・・。
インスリンの分泌が減ることで、脂肪合成もされにくくなる、というからくりです。
ただし、筋トレ後は大量のインスリンを分泌させても、脂肪合成よりも筋合成に傾きやすいので、筋肥大を目的としている場合は、炭水化物をしっかり摂取しよう、というわけですね。
また、果糖についても同じような話になるのですが、食物繊維は果糖の吸収量を下げるだけではなく、吸収された果糖が肝臓細胞に届くスピードも下げます。
吸収スピードが下がるということは、体内に一気に果糖が入ってこない為、肝臓で果糖を順番に処理できるというわけです。
こうして、果糖が体内に入ってくるペースに合わせて、果糖の分子をアセチルCoA(コエー)に変換できるようになります。
果糖から変換されたアセチルCoAは、ミトコンドリアのクエン酸回路で燃やされるようになるというわけです。(エネルギーとして燃やされるということ)
逆に、ほとんど食物繊維を含んでいない果糖を多く含む加工食品(甘いものや清涼飲料水)を摂取すれば、肝臓に果糖が大量に一気に押し寄せることによって処理が追いつかなくなり、脂肪に変換されやすくなるのです。
余談ですが、脂肪に変換されやすい状況と、水洗トイレが詰まる状況はよく似ています(一気に大量に送るな、ということですね)
ちなみに、果糖を含んでいる果物は、果物に多く含まれる食物繊維によって果糖の吸収スピードが遅くなる為、脂肪合成はされにくいということも今回の話でわかって頂けたと思います。(そもそも、果物1個程度なら果糖もそんなに含まれていない)
満腹感を感じさせやすい
腸の中で、食べ物早く動かすことができて、満腹シグナルと言われるPYYを早く生成させるという特徴を持っているのが不溶性食物繊維。
つまり、不溶性食物繊維を摂取することで、食べ物が腸内を移動するスピードを加速することになり、結果的にPYYを早く生成させて、
「あれ、なんかもうお腹一杯になった」
という状態にさせてくれやすくなるのです。(ただし、早食いはこの効果半減です)
一方、水溶性食物繊維はゲル状の物質になって、胃から食べ物が排出させるのを遅らせることが出来る為、早く満腹感を感じさせることができるというわけです。
こういった特性から、なるべく両方の食物繊維を摂取することが満腹感を感じさやすくしてくれることに繋がり、結果的に食べ過ぎを防いでダイエット(減量)を促進したり、健康を手に入れやすくなります。
代謝機能を向上させる
食物繊維が便秘に良い事は誰でも知っていると思いますが、実は代謝の向上にも良いのです。
食物繊維自体は体内に吸収されないですが、ブドウ糖や果糖、脂肪が血液の中に入る量と流れの速さの両方を低下させ、インスリンの分泌量を減らすのです。
また、栄養素を大腸に届けて発酵を可能にすることによって、代謝機能を向上させて良い細菌を選び出すようになります。
ただし、こういった効果を最大限に引き出すためには、水溶性と不溶性の両方の食物繊維を摂取するために、自然に近い食べ物を丸ごと食べることが大切。
特に、肥満に加えて糖尿病(糖尿病予備群含む)も患っている人は、こういったことに気をつけて食事をしていくことが重要となってきます。
もちろん、食物繊維の過剰摂取は逆に代謝を下げてしまう原因にもなるので、注意が必要。
その人に合った量の食物繊維を摂取していくことがポイントですね。
ちなみに、私もかつては食物繊維を摂りすぎてしまっていて、便秘やガス、膨満感になった経験があります。
腸の善玉菌を増やして太りにくい体質にする
大腸に多く住んでいる腸内細菌は、エネルギー代謝の大きな部分を担っていることはご存知だろうか。
それは、腸内の細菌構成によって、体重増加を促す原因になっていると言われているからです。
この腸内細菌の餌は、食物繊維(特に水溶性食物繊維)なので、食物繊維を定期的に摂取しておけば、腸内細菌のエネルギー源となり、腸内細菌の質も変えることになります。
つまり、食物繊維を摂取することによって、善玉となる細菌が増えて太りやすい細菌が減り、健康も手に入りやすくなる、というわけです。
まとめ
今回は、ダイエット(減量)と健康を促進する食物繊維の4つの特性について言及しました。
その特性とは、
- 血糖値をなるべく上げずに脂肪合成も抑制する
- 満腹感を感じさせやすい
- 代謝機能を向上させる
- 腸の善玉菌を増やして太りにくい体質にする
この4つでした。
インスリンの分泌も少なくして、脂肪も合成されにくい上に、早めに満腹感が来る。
そして、善玉菌が増えやすい環境も作り、代謝機能も向上しやすくなれば、ダイエット(減量)にも健康にも良いのは明白ですね。
もし、現時点でダイエット(減量)をしたり、健康に気を使っている場合は、サプリメントに頼る前に食物繊維を定期的に摂取する習慣を身につけてみてはいかがでしょうか。
その方が、体型や体質の変化に繋がると思いますよ。
最後まで読んで頂きありがとうございました。