年令によって最適な炭水化物の摂取量は変わる?答えは2つの系のバランスにある

今回は、終わってみれば「言われてみればそうだよね」という話になるもしれませんが、伝えたい内容は、

『年齢によって、最適な炭水化物の摂取量は変わる可能性が高いよ』

ということ。(もちろん、この話は人によって当てはまらない場合があります)

その理由は、人間が生まれてから成長、老化するまで体内で使うエネルギーの種類や割合が変わってくるから。

 

今回の話を聞くことで、自分の年齢や生活習慣を照らし合わせてみて、最適な炭水化物の摂取量を見つけるきっかけになるかもしれませんので、良かったら最後までお付き合い下さい。

 

※ちなみに、今回は新潟大学名誉教授(医学博士)の安保徹先生の本(安保徹のやさしい解体新書)の内容の一部を参考にさせてもらっています。

 

安保徹のやさしい解体新書
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体から作られる2つのエネルギーシステムとは?

人間には、酸素を必要としない糖質をエネルギーとして瞬発力を生み出す『解糖系』と、酸素を必要として、持久力を生み出す『ミトコンドリア系』があります。

 

解糖系は、主に炭水化物(糖質)をエネルギー源にして、ミトコンドリア系は、主に脂質(脂肪)をエネルギー源にするのが特徴。

運動をする場合だと、無酸素運動(筋トレ)は、主に解糖系をエネルギー源にしますし、有酸素運動(ウォーキング等)は、主に脂質(脂肪)をエネルギー源にします。(割合の問題であって、どちらも両方のエネルギー源を使います)

 

で、この解糖系とミトコンドリア系・・・実は、年齢によって活動しやすい割合が違ってくるのです。(聞けば当たり前のことだと思うはず)

これから話す内容を聞けば、年代によって炭水化物付き合い方を変えたほうが良いかもしれない、というのが分かると思います。

10代までは解糖系優位の時代

ミトコンドリアは、15歳くらいまで増え続けてそれまでは解糖系が優位な時代と言えます。

ザックリ言うと、10代は解糖系が優位となっている為、炭水化物をある程度沢山摂取しても、エネルギーとして代謝されやすい体質だと言えるでしょう。

 

もしかしたら、あなたも10代の頃はどれだけ食べても太らない、あるいは太りにくいという経験をしたことがあるかもしれません。

もちろん、体質によって効果の違いはあると思いますが、10代は、40代〜60代に比べて太りにくい代謝の構造になっているのは間違いありません。

ただし、砂糖や果糖(果糖ぶどう糖液糖など)の過剰摂取は、いくら解糖系優位だと言われる10代でも過剰摂取すれば、糖尿病など健康を害する恐れがあるので注意が必要です。

 

10代は、どんどん体が成長している時期なので、出来れば、良質な炭水化物(お米が1番おすすめ)をしっかり摂取していくのが良いでしょう。

特に、動きが激しいスポーツをしている10代は、良質な炭水化物は必須ですね。

20代~40代はバランスの時代

20代に入ると、解糖系とミトコンドリア系の2つがバランスを取る時代に入ります。

ただし、瞬発系のスポーツをしている20代の若者は、まだまだ解糖系を利用するような状態なので、しっかり炭水化物を摂取する必要があるのかな、と思います。

 

普段から全く運動をしていない若者は、解糖系のエネルギーはあまり使わないので、炭水化物の摂取量も食事量も、無理に増やす必要は無いかもしれませんが、炭水化物は代謝を上げるので、減らし過ぎには注意が必要ですね。

 

また、40代で普段からガンガン筋トレをするような人は、解糖系のエネルギーを使う為、ある程度炭水化物は摂取しても良いと思います。

しかし、全く運動をしない40代であれば、炭水化物の摂取量も食事量自体も、無理に増やす必要も無いかもしれません。

特に、健康診断で中性脂肪や血糖値が問題になるような場合は、今一度自分の炭水化物の摂取量を把握して、対処する必要があると思います。(特に、砂糖や果糖は徹底的に減らす)

50代以降はミトコンドリア系優位の時代

50代になってくると、エネルギー生成がミトコンドリア系にシフトしてくる為、無理に炭水化物を摂取して、解糖系のエネルギーに頼ると病気になる確率が上がると言われています。

 

もちろん、50代を過ぎても筋トレをガッツリやっている人は、普段筋トレをしない一般人よりも、炭水化物の摂取量は多少増やしても良いかもしれませんが、これが必ずしも健康につながるわけでは無い、というのは認識しておいたほうが良いでしょう。

実際に、筋トレが趣味の人でも高血糖気味だったり、糖尿病になってしまう人もいるので、50代を過ぎたら炭水化物の摂取量や、種類には少し気を配ったほうが良いと思います。

60代以上になってきた場合

特に、高齢になるとミトコンドリア系でのエネルギー生成が優位になる時期になるので、どちらかと言うと、有酸素をメインにしたほうが健康には良いと言えるでしょう。

ただ、決して筋トレが悪いというわけではなく、軽い筋トレなら全然おすすめですし、アリだと思います。

若い頃のようにガッツリ追い込むような筋トレは、高齢の体には大きなストレスになり、かえって怪我(特に関節や腱)の確率を上げて、健康を損なう可能性があるので、筋トレ強度の調整は必要になってくるでしょう。

 

また、この年代に入ってくると、かっこいい体というのはなかなか維持してくるのが難しくなってくる為、体を鍛える目的が健康や長生きにシフトする人も出てくるかもしれません。

そういう場合は、食事も少食にして、食事回数も3食にこだわらないという考え方もアリだと思います。

その方が長生きできるという研究結果もありますから。

まとめ

さて、今回は『年齢によって、最適な炭水化物の摂取量は変わる可能性が高いよ』という話をしてきました。

 

サクッとまとめると、

  • 10代までは解糖系優位の時代なので、しっかり炭水化物を摂取しても太りにくい傾向にある(砂糖や果糖の過剰摂取は10代でもダメ)
  • 20代~40代は、2つの系がバランスを取っている時代なので、自分の状況や目的に合わせて炭水化物の摂取量を調整していく必要がある
  • 50代以降はミトコンドリア系優位の時代になってくるので、特に普段から体を動かさない、運動をしないような人は、炭水化物の摂取量は控えめにしていくほうが良い(病気のリスクも減る)

こんな感じかな、と。

 

もちろん、今回の話は『人間の体の作りがそうなっている』という話なので、全てを鵜呑みにする必要はありません。

目安程度にとどめてもらって、あとは、自分の体の状態や習慣(運動や食事など)に合わせて、炭水化物の摂取量を日々調整していくことが理想の体型や健康に繋がると思います。

だいぶ抽象的な話になってしまいましたが、良かったら参考にしてみて下さい。

 

それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。

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