
脂質と言うと、体脂肪を減らしたり筋肉を増やしたり健康になりたいと思っている人に悪者扱いされている印象があります。
しかし、脂質というのは細胞の材料やホルモンの生成に関わるなど、体にとって重要な役割を果たしている栄養素なのです。
もちろん、摂り過ぎはよくありませんが、ある程度の量を摂取していくことは体にとって大切なこと。
そんな脂質の中でも、体にとって良いことばかりある脂質があるのですが、それが『EPAとDHA』です。
ちなみに、この『EPAとDHA』には、
- 体脂肪を減らす
- 筋肉を増やす
- 健康を促進する
こういった効果が望めます。
ということで、この記事では体脂肪を減らしたり筋肉を増やしたり健康を促進したりする脂質(EPAとDHA)について言及していこうと思います。
もくじ
EPAとDHAの働き・効果
炎症を抑える
EPAは、肉などの脂に含まれている飽和脂肪酸の摂り過ぎによって起こりやすい炎症を抑える働きをします。
参考資料 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jln/26/1/26_27/_pdf/-char/en
最近では、ケトジェニックダイエット(ケトン体ダイエット)をしてい人の中で、脂の多い肉を含めて飽和脂肪酸を沢山摂取している人もいると思います。
しかし、個人的に色々と情報収集(論文を読むなど)をしてみると、やっぱり飽和脂肪酸(牛などの四足動物の肉や加工食品など)の過剰摂取は、
- 死亡率が高くなる
- ガンの発症率が上がる
- インスリン感受性の低下
こうなる可能性が高いらしい、とのこと。
【7月6日 AFP】バター、ラード、赤身肉などに含まれる飽和脂肪酸が、早死リスクを上昇させることを確認したとする、30年間に及ぶ研究結果が5日、発表された。その一方で、飽和脂肪酸をオリーブオイルなどの不飽和脂肪酸に切り替えることで、健康上の大きな恩恵が得られる可能性があるという。
出来れば、飽和脂肪酸の過剰摂取には気をつけたほうが良いでしょう。(少しくらいなら問題無いと思いますが・・・)
中性脂肪を減らす
EPAとDHAが中性脂肪を減らすというのは有名な話なので、あなたもが知っているのではないでしょうか。
健康診断で中性脂肪値が高い場合は、EPAとDHAの含有量が多い青魚を定期的に食べていくことで、中性脂肪値が下がる可能性が高いです。
もちろん、他の食事も多少は気をつけたり、摂取カロリーも気にする必要はありますが・・・。
また、食べ物から摂取しなくても、フィッシュオイル(サプリ)やクリルオイルでEPAとDHAを摂取した場合も中性脂肪値が下がりやすくなるので、気になる場合は試してみても良いでしょう。
※おすすめは、コストパフォーマンスが良い『Now Foodsのウルトラオメガ3』です。
ちなみに、フィッシュオイルを摂取する場合は、目安として1日あたり2000㎎(EPA+DHA)を摂取していくと良いでしょう。
ただ、出来るのであればサプリメントではなく、食事からEPAとDHAを摂取するほうがベストだということは頭に入れておいてください
また、EPAとDHAには中性脂肪を減らすだけではなく、体脂肪の蓄積を抑えたり、脂肪酸合成酵素の活性を低下したりする効果があることも分かっているようです。
まあ、こういう説明を見て頂けば分かると思うのですが、なるべくEPAとDHAは摂取したほうが良いということですね。
私の場合は、サバ缶(主に味噌煮)でEPAとDHAを摂取したりすることが多いかな。(魚を食べない日はフィッシュオイルやクリルオイルを摂取します)
血液を固まりにくくする・免疫強化
EPAとDHAの効果で血液が固まりにくくなるということは、逆の意味で言えば血液をサラサラにするということ。
こういった効果が生活習慣病(動脈硬化)の予防にも良いので、EPAとDHAはおすすめされていることが多いです。
よく、テレビの健康を扱う番組で長寿の方の食事内容等を紹介していますが、青魚を食べる習慣がある人が結構多いという事実があるので、健康に気を使っている人はEPAとDHAの摂取を心がけていきましょう。
タンパク質の分解を抑える(EPA)
筋肉は、常に体内で分解と合成を繰り返していますが、EPAを摂取することでタンパク質(筋肉)の分解を抑えることができます。
そう考えると、ダイエット(減量)をしている時でも脂質を摂取するのであれば、迷わずEPAとDHAを選択するのが賢いと言えるでしょう。
タンパク質合成を高める可能性がある(EPA)
そして、EPAにはタンパク質合成(筋肥大)の効果も期待できるので、バルクアップ(筋肉を増やす)の時期でも積極的に摂取していくと良いでしょう。
先程も紹介しましたが、1日の食事のどこかで魚(青魚やサーモン等)やサバ缶を食べるタイミングを作ると良いかもしれません。
特に、サバ缶は安価でお手軽にEPAを摂取できますよ。
EPAとDHAの摂取量(目安)
1日のEPAとDHAの摂取量の目安は、
『2000㎎〜2500㎎(多くても3000㎎)』
このくらいになります。
何でもそうですが、体に良い食べ物でも過剰摂取は毒になる可能性が高いので、注意が必要です。
EPAとDHAの過剰摂取は、お腹が緩くなる可能性がありますから。
ちなみに、食事(青魚)からEPAとDHAを摂取していく場合は、下記に数値を表記しておいたので、参考にしてみてください。
EPA | DHA | |
イワシ(100gあたり) | 1400㎎ | 1200㎎ |
サバ(100gあたり) | 1200㎎ | 1700㎎ |
サンマ(100gあたり) | 800㎎ | 1300㎎ |
毎日、上記で紹介した青魚を100g程度摂取していけば、1日で必要だと言われるEPAとDHAの目安量を摂取できそうですね。
ただ、青魚(サーモンもおすすめ)を食べられる人はいないと思うので、そういう時はサプリ(フィッシュオイル)で補うのも良いでしょう。
ちなみに、オメガ3に分類されるαリノレン酸も摂取することでEPAに変換されますが、その変換率の割合は少ない(5%程度)と言われているので、現時点の情報では摂取してもEPAとしての効果はあまり無い言われています。
そう考えると、わざわざαリノレン酸を多く含むクルミや亜麻仁オイル、えごま油を摂取するよりも、最初から直接EPAを摂取できる青魚を食べていたほうが効率的だと言えるでしょう。
ただ、好んでクルミや亜麻仁油などを摂取している場合は、そのまま食べていけば良いと思います。
まとめ
この記事では、体脂肪を減らしたり筋肉を増やしたり健康を促進したりする脂質(EPAとDHA)について言及してきました。
脂質は、ダイエット(減量)をする時に抑え気味になる傾向にありますが、ホルモン生成に関わってくるので最低限の量は確保したほうが良いでしょう。
もし、脂質を摂取するのであれば、『EPAとDHA』を摂取するという考え方がベスト。
特に、健康面を重視する場合は最優先に『EPAとDHA』の摂取を考えてみてください。
そして、『EPAとDHA』を摂取するにあたって、おすすめの食材は青魚とサーモン。
どうしても、これらの魚が食べられない場合は、サプリ(フィッシュオイル)を活用していくと良いでしょう。
また、筋肉をつけたい場合も、筋肥大と健康面を考えると、肉やバターなどに含まれる飽和脂肪酸や、オメガ6(ごま油やひまわり油)よりも、最優先に『EPAとDHA』の摂取することを考えたほうが良いと思います。
どちらにしても、体作り(ダイエット・筋肥大・健康)をしていくにあたって、脂質という栄養素で『EPAとDHA』が重要なのは間違いありません。
最後までお読み頂きありがとうございました。