
最近は、糖質制限を信仰する人も増えてきていて、どちらかと言うと、糖質(炭水化物)が悪者扱いされているような状況になっています。
しかし、実際は糖質(炭水化物)自体は悪者ではなく、きちんとルールを守って摂取していけば、ダイエット(減量)や体作りにおいて効率の良いエネルギー源となるのです。
そこで、今回は糖質(炭水化物)が悪者にされている5つの理由と、最適な食材や摂取量について言及していこうと思います。
この記事を読めば、糖質(炭水化物)の重要性、人によっては糖質制限がダイエット(減量)や、健康の妨げになっていることが分かるでしょう。
もくじ
糖質(炭水化物)が悪者にされている5つの理由
糖質(炭水化物)が悪者にされてしまっている理由は、
- 食物繊維の摂取不足による血糖値の上昇
- 糖質制限と悪い脂質の過剰摂取による耐糖能
- 糖質と脂質を一緒に摂取する食習慣
- 糖質の過剰摂取になってしまう環境
- 病気や肥満を作る異性化糖と砂糖の過剰摂取
この5つです。
食物繊維の摂取不足による血糖値の上昇
まず、1つ目は昔に比べて食物繊維の摂取量が減っている為、食後に血糖値が上昇しやすくなっていること。
以下は、日本人の食物繊維の摂取量が減っている証拠(特に穀物からの食物繊維摂取量が減っている)
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/intake/change/
ほとんどの日本人は、食事をする時は主食(お米等)とおかず、副菜や汁物などを一緒に食べると思います。
その時、食物繊維の多い食べ物を糖質(炭水化物)と一緒に食べることで、血糖値が緩やかに上昇して脂肪の合成も抑制されます。
そもそも、摂取カロリーよりも消費カロリーが多ければ、脂肪合成はされませんが・・・。
話を戻しますが、糖質(炭水化物)だけ単体で食べたり、食物繊維の摂取量が少ない食事をしていると、血糖値が上がりやすい状況を作ってしまいます。
つまり、糖質を摂取する時にしっかり食物繊維も一緒に摂取しておけば、脂肪合成も抑えられて肥満や病気になる確率も減るというわけです。
もちろん、糖質の過剰摂取は論外ですが・・・。
糖質制限と悪い脂質の過剰摂取による耐糖能
最近は、食の欧米化によって飽和脂肪酸やトランス脂肪酸、オメガ6等の体に良くない脂質の摂取量が増えてきています。
それと比例して糖質制限をしている人も多くなっていますが、こういった食生活が原因で『耐糖能』が低下する人も多いと言われています。
耐糖能とは、ブドウ糖を処理する能力のこと。
長期間に渡って糖質制限をして脂質を過剰に摂取している人は、耐糖能やインスリン感受性の低下に陥りやすいのです。
よくあるのが、脂質を沢山摂取しながら糖質制限をしていて久々に糖質(炭水化物)を摂取したら、血糖値が急激に上昇するという症状。
このように、耐糖能が低下してしまうのは、糖質制限と脂質の過剰摂取によって、
- 膵β細胞の萎縮
- インスリン分泌量の低下による遊離脂肪酸濃度の上昇
このような状況を体内で作りやすくなるから。
結果的に、耐糖能が低下してインスリン感受性も下がるというわけです。
そうなると、健康な人が普通に処理できる糖質(炭水化物)の量を耐糖能が低下した人は処理出来ません。
そして、耐糖能が低下した人は、体内で上手に糖質を処理出来なくなった事で、
「糖質(炭水化物)は毒だから摂取しないほうが良い」
なんていう事を言い出すわけです。
つまり、健康な人は最初から最適な糖質(炭水化物)を適量摂取した生活を送っていれば、糖質(炭水化物)が悪者にはならない、ということです。
糖質と脂質を一緒に摂取する食習慣
現代の食生活は、ほとんどのメニューが糖質(炭水化物)と脂質のセットになっていることが多いです。
例えば、
- 中華料理(ラーメン・チャーハン・餃子など)
- 丼ぶり(天丼・カツ丼・牛丼等)
- イタリアン(パスタ・ピザ等)
- 洋食(カレー・ドリア等)
- 洋菓子(ケーキ・ドーナツ等)
などなど、特に外食する時のメニューは、ほとんど糖質(炭水化物)と脂質はセットになっています。
こういった糖質と脂質を組み合わせた食事をすると、体内に入った糖質はブドウ糖に分解され、遊離脂肪酸と結合して、体脂肪が合成されやすい状況を作ります。
そして、一緒に脂質も摂取していますから、血中の遊離脂肪酸も増えてしまい、摂取した分はそのまま体脂肪として合成されてしまう、という流れ。
こうしてみると、いかに糖質と脂質を一緒に摂取することが体脂肪を増やしやすくなる環境を作ってしまっている、ということが分かるのではないでしょうか。
糖質の過剰摂取になってしまう環境
現在の日本は、自然と糖質の過剰摂取になりやすい環境を作っています。
特に、普段から食に無頓着で外食が多い人のほとんどは、糖質の過剰摂取になっている可能性があるでしょう。
例を挙げると、
- 牛丼
- カツ丼
- 天丼
- ラーメン
- チャーハン
- カレー
- 各種弁当
- 各種定食
こういったほとんどの食べ物が糖質の過剰摂取に繋がっている可能性があります。
そもそも、外食のメニュー(特に丼もの)は1食分の糖質量(ご飯の量など)が多過ぎ。
こんな食事を毎日気にせずに食べていれば、そりゃあエネルギー過多で体脂肪つきやすくなりますし、病気にもなりますよ。
病気や肥満を作る異性化糖と砂糖の過剰摂取
糖質(炭水化物)の中には、摂取量にさえ気をつけていれば、体のエネルギー源として最適な食べ物があります。(後で紹介します)
逆に、ダイエット(減量)や体作り、健康に悪影響を与えるのが異性化糖(ブドウ糖果糖液糖など)と砂糖です。
特に、果糖ぶどう糖液糖や高果糖液糖などの異性化糖は、砂糖よりも原価が安い為、
- 甘い食べ物全般(スイーツやお菓子)
- 清涼飲料水
- 調味料(ポン酢・麺つゆ・タレ・ドレッシングなど)
こういったあらゆる食べ物や飲み物に含まれています。
そして、これらの異性化糖が含まれている食べ物は、主食となっているお米やパンなどの複合炭水化物よりも腹持ちが悪い為、簡単に大量の糖質を摂取出来てしまいます。
その為、異性化糖を含む食べ物や飲み物を日常的に摂取している人達は、知らない間に自分の体が処理できない量の糖質を摂取している可能性が高い。
結果的に、肥満だけではなく、糖化による老化や病気(糖尿病やガンなど)になる確率も上がります。
そうなりたくなければ、摂取量に気をつけることですね。
良かったら以下の記事も一緒にどうぞ。
このように、昔に比べて異性化糖や砂糖の摂取量が増えた事が糖質(炭水化物)が悪者になってしまっている要因の1つだと私は思っています。
最適な糖質(炭水化物)とは?
ここまでの話である程度理解して頂けたと思うのですが、糖質(炭水化物)は、選ぶ食べ物と摂取量さえ間違えなければ、ダイエット(減量)や体作りの味方になる栄養素です。
では、どんな糖質(炭水化物)が最適なのか?というと、複合炭水化物(デンプンや小麦等が材料)です。
複合炭水化物は、糖質と食物繊維、ビタミン等で構成されている為、異性化糖や砂糖よりも消化吸収も遅くて腹持ちも良い傾向にあります。
代表的な食べ物として、
- お米
- パン(あまりおすすめではない)
- 餅
- そば
- うどん
- パスタ
- オートミール
- イモ類(サツマイモ・ジャガイモ、かぼちゃ等)
などがあります。
中でもおすすめなのは、
- お米(白米、玄米、雑穀米など)
- そば
- パスタ(アルデンテ)
- オートミール
- サツマイモ
この5つ。
おすすめな理由は、そばやパスタ(アルデンテの場合)、オートミールやサツマイモは、グリセミック指数(GI値)が低い為、血糖値が緩やかに上昇すると言われているから。(実際の数値は、状況や体質で変わるので参考程度にしかならない)
その中で、オートミールやサツマイモは、食物繊維や他の栄養素(ビタミンなど)も豊富なので、食べられる人にはおすすめ。
そして、お米は日本人に馴染みがあって安価で手に入れやすいということもあるので、1番おすすめしたい糖質(炭水化物)と言えます。
体に合うのであれば、玄米や雑穀米は食物繊維やビタミンも豊富に含まれているので、主食にすればダイエット(減量)や体作りに良い影響を与えてくれるでしょう。
補足として、果物(バナナやリンゴ等)もおすすめです。(もちろん、食べ過ぎは論外ですよ)
最適な糖質(炭水化物)の摂取量
最適な糖質(炭水化物)が分かったところで、最適な量についてですが、結論から言うと、正解は自分で見つけるしかありません。
何故なら、人それぞれ個体差があるから。
ただし、1つだけルールを決めるとしたら、
『1回の食事で大量の糖質(炭水化物)を摂取しないこと』
が大切です。
先程もお話しましたが、外食で丼もの(カツ丼や牛丼など)やカレー等を食べた場合、ほとんどの一般人(特に体を動かさない事務ワークの人など)は、1食で摂取する適正の糖質量をオーバーしている可能性があります。
だから、食べないほうが良い、とは言いませんが、そういう場合は事前に糖質の量を減らしてもらったり、他の食事の際に糖質を減らして調整していく工夫が必要になってくるでしょう。
代謝が高くて若い人や、筋肉量が多い人、自ら体型をコントロール出来る人は問題ありませんが・・・。
結局、最適な糖質量は自分で探していく事になりますが、最初は目安として
『おにぎり1〜3個くらい』
を1食分の糖質量として実践していくのが良いかな、と思います。(おにぎり1個の糖質量は40g前後)
そして、そのくらいの糖質量を1日で3〜5回くらいに分けて摂取していきながら、あとは体の状態を見て摂取量を調整していく、といった感じでしょうか。
あと、1つ補足しておきますが、脳に使われる糖質量は120gと言われているので、最低でもそれ以上の糖質は摂取しておいたほうが良さそうです。
ちなみに、120gの糖質をおにぎりで換算すると3個分くらいで、お米で換算するとだいたい300gくらいですね。
まとめ
この記事では、糖質(炭水化物)が悪者にされている5つの理由と、最適な食材や摂取量について言及してきました。
今回の話をまとめると、糖質(炭水化物)が悪者にされてしまっている理由は、
- 食物繊維の摂取不足による血糖値の上昇
- 糖質制限と悪い脂質の過剰摂取による耐糖能
- 糖質と脂質を一緒に摂取する食習慣
- 糖質の過剰摂取になってしまう環境
- 病気や肥満を作る異性化糖と砂糖の過剰摂取
この5つでした。
こうやって分析してみると、糖質(炭水化物)という栄養素の摂取自体が悪いのではなく、摂取していた糖質や摂取量、摂取方法が良くなかったということになります。
現代の食生活を何も考えずに継続していると、知らない間に、
- 高糖質
- 高脂肪
- 低食物繊維
- ビタミン・ミネラルの不足
- 悪い糖質の(異性化糖や砂糖等)の過剰摂取
こういった食事になりやすいく、結果的に肥満や病気になりやすい体になってしまいます。
もし、あなたがダイエット(減量)や体作りで成功したい、健康的な体を作りたいのであれば、最適な糖質(炭水化物)を選んで、自分に合った最適な摂取量を見つけましょう。
少しでも食事のコツを掴めば極端に太ることも無いし、病気(糖尿病など)になる確率も下がるはずです。
そして、健康面も気にするのであれば、ある程度は運動もしていったほうが良いというのは言うまでもありません。
最後まで読んで頂きありがとうございました。